競馬を楽しむヒント

日々の雑記と競馬と。他人の馬券に感情移入できるブログだよ。

2022年スプリンターズSを振り返る

昨年の秋から1200MのGIレースでの馬券は好調だった。

 

・2021年の秋

スプリンターズSでは、ピクシーナイトからワイド2点。

シヴァージとの美味しい配当を懐に入れる。

軸に彼を据えた理由は結構曖昧だった。

強そうな三歳馬だ!あと短距離って考えても無駄だから絞って買おう。確かこれくらい。

 

・2022年の春

高松宮記念では、ナランフレグを本命に。

無駄を削ぎ落とした馬券は馬連ワイド1点で、ロータスランドがドンピシャで入った。

丸田騎手が大好きなので、考察抜きに本命は決まり切っていた。それが1点ドンピシャと来たもんだ。

『馬群の間を捌いていって、最後の一突き届いています』

ゴール板通過後の実況がファンの涙腺を一層緩ませたことも忘れない。

 

そう、絞った馬券でズバッと的中させているのがここ二戦のGIスプリント戦なのだ。

馬券の買い方は数あれど、少ない点数で的中できればできるほど購入者の興奮度も比例して右肩上がり。

 

さあ2022年スプリンターズステークスよかかってこい。

今日も研ぎ澄まし削ぎ落としで完成させた究極馬券だ。

 

これは先にお伝えしておこう。冒頭の二レースの買い目で勘のいい方はお気付きかもしれないが、私は堅実な馬券にあまり手を出さない。リターンの大きい馬券を常に買う。

だって微微たる額が増えても楽しくないから。

いやそりゃ的中率的にはそこまでかもしれないですけど、当てた時の雄叫びったらないんです。理解得難いのは知ってますけど、逆転満塁ホームラン馬券以上のロマンったらないんですよ。

競馬に興じる者たちは私のような者を穴党と呼ぶ。

 

『微額は美学にあらず、爆額こそ美学なのである』

穴党の皆様、名言が生まれましたのでどうぞお好きにご利用ください。

 

スポーツとしての競馬と、馬券観点の競馬は別物です。

本ブログは、読者の皆様にとって赤の他人の馬券視点でレース感情を憑依させて人間模様を楽しんでもらうのが趣旨です。

いい塩梅でいい馬券に出会えるといいですよね。

 

そんな私の2022年スプリンターズS

購入した究極馬券はこれだ!!!

 

 

軸は⑨ナムラクレア、相手に③メイショウミモザ⑧ファストフォースの二頭。

昨年と同じく、二点で獲物を仕留めてやる。二点じゃない?三連複?いいですか、もう二点と同じなんですよこれは。

 

 

軸に選んだクレア嬢といえば、前走は鞍上が責められて致し方なしのレースぶりだった。

福岡は小倉競馬場で行われたGIII北九州記念、芝1200M。

 

「負けるとは思っていませんでした。自分がうまく誘導できなかったことに尽きます」

彼女の背にまたがった浜中騎手はレース後にそう答えた。

 

北九州記念の内容をまとめるとこうだ。

 

外枠からまずまずのスタートを切り、中団の位置で僅かに外めを追走。同じ日に同条件で外から豪快な差しを決めて勝利を収めていた浜中騎手は、クレア嬢にもそんなイメージを重ねていたに違いない。しかし4コーナー出口でイメージは崩れ去る。

一列前の馬たちが膨れに膨れて広がっている。これ以上外を回してはロスが大きく届かない、内は内で譲らない馬がたくさん。最後の直線が短い小倉競馬場。勝負どころのコーナーでクレア譲と騎手は加速できず、むしろ接触のリスクから急ブレーキを踏むこととなった。

迎えた直線で前の各馬が徐々にバラける。その僅かな隙間へ向けられたゴーサインは、あまりにも遅過ぎる仕掛けだった。急ブレーキからの急加速である。とても間に合ったものではない。掻い潜った先のゴール板を抜けた彼女は三着という結果に終わった。

よく三着に来たなというのが感想である。負けて強しの三着。騎手コメントの悔しさがよく伝わるレースぶりだった。並の馬なら三着までは到底届かないレースに違いなく、ナムラクレアのポテンシャルを思い知らされるレースであった。

 

そんな彼女と一緒に私はこれから電撃の1200Mを駆け抜ける。

 

クレア嬢、もう何も恐れるものはありますまい。

私の想いと浜中騎手の想いと、そして嬢の想いとが同じベクトルを向いています。

今日は先頭でゴール板を駆け抜けましょうクレア嬢!!!

穴馬の二頭を連れて先頭でゴールを駆け抜けられたし。貴方ならできます。

 

 

 

そしてゲートは開いた。出走の16頭各馬が一斉に強靭な脚を回転させる。

これはいいスタート切りましたよナムラクレア。いいよいいですよクレア。

 

押して押して先頭をうかがう⑧番ファストフォースにも思わず声が出る。

あー最高の展開。団野くんハナとっていいよ、もう逃げちゃってもいい!

 

となるとミモザは、ミモザ

あれ待って。ちょっと待って。ミモザしっかり好位取りに行ってる。ラチ沿い。好位。丹内さん激アツリーチ流石過ぎます。2枠③番メイショウミモザちゃんこれ以上ないベストポジションです。

 

ナムラクレアと人気を分け合い一番人気に押されたメイケイエールは、まずまずのスタートから果敢にポジションを確保すべくクレア嬢のすぐ隣までやってきた。やってきたかと思うとさらに前へ。クレアの一列前へメイケーエールは陣取った。

 

やはり中山1200M戦。早いもので、もう第三コーナーに差し掛かる。隊列は決まった模様。

逃げるは①番テイエムスパーダ。ハナにはこだわらないとかいう厩舎コメントは関係なかった。二番手に⑧番ファストフォースが外から追いかけている。逃げる二頭から少し離れて先団の各馬が機を狙う。

はっきり言ってものすごく良い。スパーダは垂れちゃうから、斤量堪えちゃうから。ファストフォースが直線で先頭に躍り出る姿の想像が容易い。

 

前半600メートルは速報で32秒7の通過。これは速い。

昨年の通過は33秒3だったはず。0.6秒縮んだ。

今日これまでのレース結果から考えて、昨年より時計がかかる馬場状態のはず。

 

速報と共にファストフォース鞍上の手が早くも動いた。団野騎手がガシガシ追っている。どうした手応え怪しいか。少しテイエムスパーダと差が生まれそうになる。いやそれより、後ろの先団から白い帽子が迫ってきている。もう間も無く第四コーナーから直線への合流。

 

同じ過ちはいらない。今日こそはコーナーでの加速を果たすべくナムラクレアの鞍上も追い出しをはじめ外への進出を狙う。前のメイケイエールも抜け出しをはかり、並んで人気二頭が外を回ってやってくる。そしてその内に並走している黒い帽子はメイショウミモザミモザ

最高、はい最高です。ありがとうございます。最高の直線を迎えることができました。

 

粘れファストフォース。忍びよれミモザ。外からごぼう抜いちまえクレア嬢!

 

直線に入りテイエムスパーダは予想通り垂れてきた。しかしファストフォースも垂れている。代わりに内からあの白い帽子①番ジャンダルムが先頭に躍り出る。外を回した各馬はどうだ。

伸びてクレア嬢、伸びてミモザ、すくすく育ってミモザ。伸びてる?伸びてますか?

あー、んー、これは、伸びてるのか?ジリっジリ伸びてる気がしますね。二頭とも前め走ってたからそうか。うん。そうですよね、ジリジリですよね。

 

じゃあもう堪えるんだクレアとミモザ!耐えて!堪えて!

ファストフォース君が!もう!沈んじゃったんで!

 

残り200メートル。中山競馬場名物の急坂。トップスピードで駆け上れ。

いいよクレアいいよ、坂平気だよ伸びてるよ、いける!伸びろ!堪えろ!クレア!!

堪えろ!ミモザミモザミモザぁぁぁぁぁ、坂きついかぁぁぁぁ。乳酸溜まったか。ダメか。ああ、沈んでいく。ミモザちゃん沈んでます。ゴスペラーズミモザが頭の中で流れ始めました。

 

ガラスの〜靴で〜♪

踊るミ〜モ〜ザ〜♪

 

しかしメイショウミモザの脚は息を吹き返しません。

ダメか、あーはいダメだね。ダメでしたー。ダメだよねそんなうまく行かないよね競馬って。馬券って。

 

一生懸命ナムラクレアは坂を駆け上がっています。駆け上がって脚を伸ばしています。

伸ばしていますが、伸びきれない。踊り出られるか先頭へ。先頭は相変わらずジャンダルム。白い帽子が先頭を譲らない。

クレア嬢!クレア嬢!もうすぐゴールです、もうすぐなんです。私の馬券は散りましたけど、目指す想いは同じです。先頭でゴールを、貴方より前に馬がいるなんて信じられません!

 

残り50メートル

内でセーフティリードを作り粘るジャンダルム。ナムラクレアの差し脚は届きそうにない。なんか内から青い帽子も来てる。ファストフォース?えっ、えっえっえっそんなことある?そんなこと、あ、違う勝負服が違う。なんだっけあの馬。パドック二人引きでめちゃくちゃチャカついてたお馬さんだ。

そして真ん中からもう一頭なんかもの凄い脚。誰もう、クレアに譲ってよ三着くらいは。ねえ誰よ、ねえすっごい脚使いますね。THE・追い込み馬って感じ。高松宮記念でお世話になった人馬一体ナランフレグみたい。人馬一体ナラン、あーその勝負服!ナランフレグだ!丸田ジョッキー!ナランフレグだー!一叩きしないと足りないと思ってたからさあ。足りるんかい。足りるんだい。これが競馬やい。今回も最後の一突き圏内に届いています。

 

一着、①番ジャンダルム

二着、⑦番ウインマーベル

三着、⑥番ナランフレグ

 

 

これにて私の2022年スプリンターズSは幕を閉じました。

あなたはどんな70秒を刻みましたか。

 

本日はこの後に凱旋門賞も控えています。

馬券を買う予定はありません。

スポーツとしての競馬を凱旋門賞では楽しみたいと思っています。